彼女欲しい!そうだ!出会い系サイト登録しよ!っと エピソード1

40代既婚者が出会い系サイトを利用したい動機

30代後半、仕事に家庭にと、毎日が慌ただしく過ぎていく中で、ふと気づいた。自分は、何か大切なものを失ってしまったのではないかと。結婚して10年が過ぎ、子どもも生まれ、安定した生活を送っているはずなのに、どこか心の中で空虚さを感じていた。振り返れば、結婚前の自由だった頃の自分を思い出すことが増えていた。かつては、趣味や友人との時間が楽しく、無邪気に過ごしていたのに、結婚してからは家庭と仕事が最優先となり、自分自身の時間はどんどん後回しになっていった。

妻とは良好な関係を築いているが、何年も一緒にいるうちに、恋愛のドキドキ感や新鮮さが薄れていったことも感じていた。もちろん愛しているし、家族としての絆は強い。しかし、結婚前のような“ときめき”や“刺激”がないことが、次第に心の中で大きな空白となっていった。仕事に追われる毎日で、自己犠牲的に家族を支え続ける日々の中で、次第に自分自身が何を求めているのか、どう生きたいのかが見えなくなっていた。

そんな時、友人と偶然会った。久しぶりに会ったその友人は、結婚してからも変わらず活発で、自分の時間を大切にしているように見えた。会話の中で、彼が最近出会い系サイトを利用していると聞いて驚いた。「なんで?」と尋ねると、「結婚しているからこそ、自分を再発見するために使ってるんだよ」と、彼は言った。その言葉に、僕は少なからず心を動かされた。

最初は冗談だと思っていたが、彼の話を聞くうちに、出会い系サイトを利用することに対して少しずつ興味を持ち始めた。もちろん、浮気や不倫が目的ではない。あくまで、自分自身を再発見し、かつての自分が持っていた感情や感覚を取り戻すことが目的だと彼は言った。心の中でその言葉が反響し、次第に自分にもその必要があるのではないかと感じるようになった。

結婚してから、女性と二人きりで話す機会もほとんどなくなったし、どこかで「自分の魅力が失われていくのではないか」と感じていた。その不安や虚しさを解消する手段として、出会い系サイトを利用することが一つの方法かもしれないと思い始めた。新たな出会いが、家庭を大切にする気持ちを再確認させ、何より自分自身に対する自信を取り戻す手助けになるのではないかと思ったのだ。

登録してみると、予想以上に多くの人が同じような気持ちで利用していることに気づいた。彼らもまた、家庭を持ちながらも、どこかで自分を取り戻したい、あるいは新しい刺激を求めているのだと感じた。メッセージのやり取りを通じて、昔の自分が感じていたようなドキドキ感を少しずつ取り戻していった。そして、やり取りを重ねる中で、自分がどれほど「自分自身を失っていたか」に気づく瞬間もあった。

もちろん、妻に対して罪悪感も感じることはある。しかし、何も行動に移すわけではなく、あくまで自分を見つめ直すための一歩として利用しているのだということを、心の中で納得させた。実際、サイトで出会った相手に会うことはなく、メッセージだけで終わったが、その過程で自分が求めていたものが少しずつ明確になっていった。それは、かつて自分が持っていた情熱や好奇心をもう一度育てること、そして家庭とのバランスをうまく取っていく方法を見つけることだった。

出会い系サイトを利用したいという動機は、決して不倫や浮気ではない。むしろ、自己探求の一環であり、失われたものを取り戻すための一歩だ。それは、家族を大切にしながらも、自分の人生に対する責任を果たすための手段だと、僕は信じている。

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